パニック障害とは
パニック障害とは、思いがけない時に突然、動悸や息切れ、強い不安を伴うパニックに伴う発作が生じます。
そして、発作が繰り返されるうちに、発作に襲われることに対する予期不安や発作が生じる状況に対する恐怖を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまいます。
治療が不十分で病気が進行してしまうと、うつ病やうつ状態になるおそれもあります。
パニック障害の原因
パニック障害は、直接的な原因はわかっていないのが現状です。
ただ、いくつか仮説があり、脳にある扁桃核と言う部分が過敏になっているのではないかと言われています。
パニック障害が起こる原因は延髄にある中枢化学受容器という二酸化炭素を感知する働きが過敏になっている状態ではないかと推測されています。
ここで過敏に感知された後、身体的な情報は大脳辺縁系の扁桃核という部分に情報が伝わります。
扁桃核はストレスや危険を感知する場所でもあり、この部分が何らかの原因によりセロトニンを抑制します。
セロトニンの働きが弱まり不安や恐怖に強く反応するため、それに対応するように自律神経系が活発(主に交感神経が優位)になりパニック発作を引き起こします。
パニック障害の症状
パニック障害は不安障害の中の1つです。
不安障害は最も一般的な障害の1つで、対人恐怖、広場恐怖など様々な障害や恐怖症が含まれます。
パニック症候群の特徴的な症状はパニック発作です。
原因不明の激しい不安を突然感じます。
誰でも体験した事があると思われる「悪夢」に襲われるような感じです。
パニック発作には主に以下のような症状が現れます。
- 手や顔に激しい汗をかく
- 心臓の動悸が激しくなる
- 胸の痛みや吐き気
- 震え
- 呼吸困難
- 漠然とした恐怖感・不安感
パニック障害の治療法
パニック障害の治療には薬物療法と精神療法のアプローチを併用して治療を行います。
薬物療法では、パニック発作の抑制と予期不安や広場恐怖の軽減を目標に、抗うつ薬と抗不安薬の一種であるベンゾジアゼピン系薬剤が用いられます。
薬の効果を確認しながら量を増減したり薬を変更しながら治療を進めていきます。
精神療法的アプローチでは病気について正しく理解するための心理教育や、不安のコントロールを目指す認知行動療法などが用いられます。
薬物治療だけに偏らず、本人の不安に対する姿勢を変化させるような精神療法を並行して進めることが大事です。
また、周囲の人たちもゆっくり見守るなどのサポートがあると良いでしょう。