適応障害とは
適応障害とは、職場における部署移動や転勤、定年、学生における受験や転校、または人間関係の悩み、近親者との死別、抑うつ気分、不安感、不登校、職場不適応、出勤拒否、対人トラブルなどによる強いストレスを受けることで行動面での問題が引き起こされる障害のことを指します。
適応障害の原因
就学、就職・転職・転勤、結婚・離婚といった環境の変化や人間関係などがあります。
こうしたストレスによって大きな負担がかかってしまうと、症状が現れるようになります。
仕事に関する原因により発症する方が多く、生活リズムの乱れや人間関係の悩みが解消されずに長期化していることなども発症原因になりえます。
適応障害の症状
適応障害の症状の特徴は大きく分けて4つです。
- 過度な不安から起こる症状
不安が想像以上に大きくなったり、それによって恐怖感が生じることで、動悸や息切れが頻繁に起こるという特徴が現れます。 - うつ的な症状から生じる特徴
物事をなんでも悲観的に捉えてしまったり、わけもなく憂うつになったり、喪失感に襲われたり、些細なことでも泣くようになるなどの特徴を持ちます。 - 異常な行動を起こすパターン
職場での態度があまりにも悪かったり、無断欠席や無断欠勤を繰り返してしまったり、お酒を過剰に飲んでしまったり、事故を起こすような運転をしたり、喧嘩をしたりなどの異常行動が特徴です。 - 体調不良として症状が現れるパターン
会社に行こうとするとお腹の調子が悪くなったり、頭痛が起こってしまったり、腰や背中がわけもなく痛くなるといった特徴を持ちます。
これらの特徴は、大きな分類で分けていますが、人によってはこれらの特徴からさらに様々な症状が起こる可能性もあります。
ただ、適応障害の場合は環境を変えたり、本人の心の切り替えや周りの人たちのサポートによって比較的すぐに改善されることが多いです。
適応障害から発展して何かの精神病などにならないように、少しでも異常を感じたらすぐに当クリニックにご相談ください。
適応障害の治療法
適応障害は、その原因となっている環境が明確なため、その環境から離れることができれば症状は軽くなります。
しかし、離れることが難しいからこそ悩んでいる人が多いわけで、話はそう単純ではありません。
環境の変化というのは、人生において避けては通れないものです。
現在の仕事が大きなストレスになって心身に変調がおこっているとして、その仕事を離れればとりあえずは元気になれるかもしれませんが、今度は転職という新たなストレス要因が待っています。
そのため、適応障害を治療するためには、まずは現段階の状態を冷静に見極め、何がどうストレスになっているかに向き合う必要があります。
そして、改善できそうなことから取り組み、自分自身のストレスを上手くコントロールし、環境を調整していくことが大切です。
適応障害は、「自分と環境のギャップが大きくて強いストレスがかかっている状態」です。
まずは客観的に整理をして自分にとって適切な環境を選ぶことが重要です。
そのため適応障害の治療は、医師とともに現状を客観視し、問題を整理して解決策に1つずつ取り組んでいくことが必要と言えます。